何作か観たけど、まだ好きか嫌いかよくわからないゴーガン。たぶん嫌いなヤツなんだと思うけど、ぼけっと観てしまうのですよ。何故でしょう?

その理由を探しに東京国立近代美術館『ゴーギャン展』へ行きました。ちなみにWikipedia@ポール・ゴーガン

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基本的にゴーガンという画家の生涯を追いながらも、エントリー・タイトルの作品『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』を楽しむための構成といった感じで総展示数は少な目。むしろこの構成が、ほとんど予備知識のない私としてはシンプルに楽しむことができました。

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趣味で始めた絵描きが、本職である株式仲買人を辞め、画業として専念することとなり、南仏アルルでゴッホと始めた共同生活も数年で破綻し、更なる楽園を求めてタヒチに旅立ち、そして失望してフランスに戻り、でも居場所がなくてタヒチに戻り、でもやっぱり楽園はなくて自殺前に遺書代わりに描いたこの作品。

「(左下の)奇妙な白い鳥が、言葉がいかに無力なものであるかということを物語っている」とゴーガン自身が書き残している。色々な作品に出てくる右の黒い犬がゴーガンを表していて、その対比が重苦しい。



「どれだけ歩いたら、楽園に辿り着けるのだろう」

「楽園には辿り着けないのさ。楽園なんて存在しないのさ」

「楽園を求めたのがいけなかったのだろうか」

「そうさみんな西洋文明の世界で生きてるんだぜ。元の世界に戻ろうぜ」

「俺はあの世界から逃げ出してきたんだ。元の世界に戻ってもきっと生きていけやしない」

「君は悪い夢を観てるだけさ」

なんて妄想会話が脳内をぐるぐる。



結局自殺は未遂に終わって、最晩年は更に辺境のマルキーズ諸島に渡り、地域の政治論争に関わったりもしながら、1903年に死去したそうです。

彼の人物史からもヤナ奴の印象は変わらないんだけど、彼の作品だけは、やはりぼけっと魅入ってしまうんです。

闇夜に光る丸いもの。“夢は月、現実は六ペンス”と評したのは誰だっただろう?彼をモデルにしたといわれるモームの『月と六ペンス』でも久々に読んでみようかな。

月と六ペンス (角川文庫)月と六ペンス (角川文庫)
(2009/01/24)
サマセット・モーム

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