秋から春にかけては、愛媛産の檸檬が出回ります。果汁はバーマンの好みによって少し追熟させたりする向きもありますが、収穫したての皮の香り高い物を扱えるのが、地元の良さですね。

そしてその香り高い皮と心地良い酸味の果汁を生かしたカクテルが以前も紹介したSKYBALLです。

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なしてまたご紹介なのかというと、前回の画像がイマイチ好みじゃなかったのと、先日、いつかエントリーしようと思っていた梶井 基次郎の小説『檸檬』に関わるちょいと悲しいニュースがあったからです……。

梶井基次郎「檸檬」の舞台、京都の果物店「八百卯」静かに幕

 梶井基次郎の小説「檸檬(れもん)」で、主人公がレモンを買った店のモデルとして知られる京都市中京区榎木町の果物店「八百卯(やおう)」が、閉店した。

 主人公がレモンを画集の上に置く場面に登場した近くの書店「丸善」も2005年に閉店しており、小説の世界をしのぶ場所がまた一つ消えた。

 八百卯は1879年(明治12年)創業。1925年(大正14年)に発表された小説では、「私の知っていた範囲で最も好きな店であった。其処(そこ)は決して立派な店ではなかったのだが、果物屋固有の美しさが最も露骨に感ぜられた」と書かれている。

 昨年10月に、4代目の村井義弘さん(63)が亡くなり、店を手伝ってきた親族らが閉店を決め、数日前に営業をやめたという。親族の一人は「小説の店として長い間親しんでもらった。ありがとうございました」と話している。
(2009年1月27日17時33分 読売新聞)



2009年1月25日を以って閉店だそうです。実際には東京での体験が基でこの小説が出来上がった。とか、愛媛産の檸檬じゃなくてカリフォルニア産の檸檬じゃないと。なんてお話は学者さんやうんちく屋さんに任せるとして、地方に住んでいるからでしょうか、“見すぼらしくはないまでもただあたりまえの八百屋”などと形容された八百卯ではあるけれど、こういった文化的なものが消えるたびに京都という街がフツーの街になっていっているような気がして、少し物寂しい気持ちになります。

檸檬 (集英社文庫)檸檬 (集英社文庫)
(1991/05)
梶井 基次郎

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